(2019/03/01更新)
蚊が媒介する感染症は、ウイルスなどの病原体を保有する蚊に刺されることによって起こる感染症です。世界的に多く発生しており、特に熱帯・亜熱帯地域で広く流行しています。主な感染症には、デング熱、ジカウイルス感染症、チクングニア熱、日本脳炎、マラリア、ウエストナイル熱などがあります。近年では、中南米、アフリカ、東南アジアなどでジカウイルス感染症が流行しており、妊娠中に感染すると、胎児に小頭症等の先天性障害を来すことがあるため、特に妊婦及び妊娠の可能性のある方はご注意ください。また、性行為により、男性から女性パートナーへ感染した事例が報告されています。流行地域から帰国した男女は、症状の有無にかかわらず、少なくとも6ヶ月、パートナーが妊婦の場合は妊娠期間中、性行為の際にコンドームを使用するか性行為を控えることを推奨します。
日本では、海外渡航などの増加により、海外で感染し、帰国後発症する輸入症例が増加しており、2016年には、海外からの帰国者がデング出血熱を発症し、死亡する事例が発生しました。また、2014年には、デング熱の国内感染例が報告されています。
デングウイルスやジカウイルスを媒介するヒトスジシマカは、越冬できないため、ウイルスの国内への定着はないと考えられますが、今後も注意が必要です。
日本脳炎は、不活化ワクチンによる予防接種、マラリアは医師の処方による予防内服が有効ですが、デング熱、ジカウイルス感染症、チクングニア熱、ウエストナイル熱には、ワクチンも予防薬もありません。
感染を防ぐためには、媒介する蚊に刺されないこと、蚊の発生を抑えることが重要です。