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表彰技術者インタビュー((株)増原産業建設)

市道根連木池平線道路改良その1工事

表彰工事の概要

部門名 一般土木工事(大規模)部門

 

施工場所 鹿島町
工事概要 工事延長L=192m、補強土壁L=192m、重力式擁壁L=108m、大型フリュームL=193m
表彰理由 本工事は、県道松江美保関線拡幅事業及び佐陀川改修事業に伴い新たに道路を整備するもので、湧水や腐植土のある悪条件の中、条件克服のために技術提案を積極的に行い、無事工事を完成させました。出来形及び出来映えも良好で、全体として優良な工事でした。
表彰事業者 (株)増原産業建設
表彰技術者 監理技術者森脇正樹さん

 

表彰技術者インタビュー

※本インタビューでは、現場代理人桑原義明さん(写真二番目)にも同席いただき、お話を伺いました。

表彰工事について

前回工事の経験

 本工事は難易度が高く、地盤の軟らかさで苦労した点が多くありましたが、無事故で受賞できてよかったです。技術者写真1安全面や施工面に関しても、自分なりにはできたかなと思います。当社はこの現場の地盤改良工事も施工していて、そのときは機械も入れない軟らかい状態だったので、改良を重ねて硬い地盤にしました。現場周辺は泥と腐ったヨシが数百年掛けて堆積した腐植土の層ですので、施工前は機械が動いただけでも地面がすごく揺れました。現場では湧水がかなりあり、田んぼのような状態でしたので、全体の55%くらいを地盤改良(構造物の安全性を保つため、地盤の強度を高めること)しました。

 地盤改良の深度は、佐陀川に近い方が深く、5~22、23メートルくらいですね。それ以上深ければ別の機械が必要ですので、ギリギリでした。機械の重さが135トンで、10トン以上のモーターが入っている部分を30メートルくらいの高さまで上げますので、ちょっとした地盤のゆるみで機械が数度以上傾くと、倒れてしまいます。3センチの鉄板を3枚敷いて機械を入れたとき、機械の重みでじわじわ鉄板が浮き上がってきたので冷や汗ものでしたね。また、近くに振動騒音計を設置して、工事車両の走行などによる振動や音の影響を3年間ずっと確認していました。地盤が軟らかいと振動も大きいので。それと周辺の地盤の沈下や隆起などを調査しました。完成したときは感慨ひとしおでした。

水に悩まされた現場条件

 現場は佐陀川の河口付近であり、潮位の影響で水位が上昇すると水が逆流してきます。技術者写真2先程の土壌にその条件が重なって、大雨が降ると池のようになり、水替え(水を汲み出すこと)をしながらの作業で苦労が多かったです。排水ポンプは24時間回せませんでしたので、朝一番から仕事をするために、作業前の朝6時半くらいに回しに行っていました。

 本工事でも湧水が多く、最初は歩いただけで長靴がはまるほど、下の地盤がよくなかったので、土木シート・吸出し防止マットを敷き、腐植土が上がってこないようにして、湧水対策のため基礎砕石を入れることを市に提案しました。それらが設計変更で反映されて、施工のしやすさが大きく変わりました。また、全体の耐久性が高まるよう、補強土壁を鋼製に変更しました。

 その他には、雨が降ると、周辺の広い地域から現場付近を流れる大屋川に水が集まりますので、大水に苦労しました。去年の台風24号のときは現場が満水になって、バックホー(ショベルカー)などの機械を上流の方に退避させたのですが、雨が止んでからも、時間差で水がどんどん現場に流入して、結局3日後に水が抜けるまで工事がストップしました。そういうことが2回くらいありましたね。施工中に雨が降ってきて、上流の大型土のうが鉄砲水で下流まで流されてきたこともありました。

 今回の工事では大屋川の排水路を一緒に新設したので、既設の排水路から今後切り替わります。まだ下流の工事が終わっておらず、既存と新設の水路の高さが1メートルくらい違うので、その部分の調整が済んでからです。近隣工区の県発注の工事との調整は、受注者による協議会も2週間に1回あり、日々工事車両の関係なども打ち合わせしていたので、特に問題はありませんでした。

 前回工事とあわせて3年間この現場に携わりましたので、様々な条件による注意点や対策が必要なことがわかっていました。そういう理解があったからこそ、本工事も無事に施工できたと思います。

運搬上の制約

 現場近くの小学校周辺は、地盤の関係で工事車両に時速15キロメートルの速度制限がかけられていました。現場写真1また、通学路のため朝は8時半以降でなければ通行できない部分もありましたし、夕方は交通量が増えるので17時前には現場を出発しないと交差点の通行に時間を要するといった、時間的な制約が大きかったですね。残土運搬も、回数が1日5~7回に及ぶこともあり、運搬先も3か所でやりくりしていましたので、ダンプカーの細かい台数管理や調整が日常的に必要でした。

 また、盛土材として、スカッシュという火力発電の燃えかすを平田の河下港から運搬していたのですが、運搬用の10トンダンプカーが3台しかなく、運搬できる量が1台あたり1日4回と決まっていました。工事が始まってすぐ現場に材料をストックしはじめたのですが、それを使って擁壁をつくると減っていくので、数量管理にだいぶ神経を使いました。逆に、材料を余らせるわけにもいかないので、工事最後の微調整は結構難しかったですね。途中でストックが尽きて、最後に残ったものを使っている最中に追加の材料が届いたという、ギリギリのタイミングだったときも何回かありました。

地元で仕事ができる嬉しさ

 地元地域への配慮として、最初に自治会長あてに工事の案内文を送りました現場写真2。また、前述の協議会では、月1回の工事だよりで状況をお知らせしていました。現場付近を通る人からは毎日のように声を掛けられました。世間話みたいなちょっとしたことから、現場や田んぼの排水が今後どうなるか等についてです。私も現場近くに住んでいましたので、顔見知りの人ばかりでした。「○○(子どもの名前)のお父さん」という感じで、通学する小中学生からも登下校時に声を掛けられました。

 私自身にとっても地元で仕事ができたことに特別な気持ちがありました。基礎の部分から新しく道をつくることに関わることはなかなかないと思いますので、やりがいもありましたし、地図に残る仕事ということで非常に嬉しかったですね。また工事が出れば携わりたいです。

 

技術者としてのキャリアについて

造園から土木へ

 元々は造園業で働いていました。野外での仕事が自分には向いていて、そこで何かをつくりたいという気持ちがあったと思います。農林高校の造園土木科を卒業してから、京都へ修行に行きました。20年前頃はガーデニングが流行った時期で、造園業はこれから伸びると考えたのですが、思うようにはならず、土木工事がきっかけで土木の仕事を考えるようになりました。父親が左官をしていますし、兄やいとこも造園系の仕事をしていますので、その影響もありました。

 島根には、結婚を機に帰ってきました。造園業には島根でも携わっていたのですが、当時の勤務先が土木工事の下請もしていたので、その関係で当社に入社して9年目です。元請経験は当社に入社してからです。造園の資格や1級、2級土木施工管理技士を取ってキャリアを積みましたが、まだまだ元請の施工管理としては経験が浅いかなと思います。

 これまでの実績は、ほとんど修繕工事です。道路舗装の打ち替えとか、マンホールの防腐、橋梁の長寿命化や法面工事などですね。大規模な土木工事は前回の地盤改良が初めてです。入社3年目に2級の資格を取得し、工事の主担当になりました。現場は県東部が多いですね。

 ものをつくることに対して、造園では雰囲気やニュアンスを求められますが、土木はきっちり数字で管理しますので、その辺が気を使いますし、難しいですね。たとえば、造園は1本出ている枝を切るかという話なのですが、土木では境界があと何センチという話になりますので、シビアです。

生活に関われる面白さ

 新しくつくることも面白いですが、既設の生活道路や下水道の修繕など、生活に関わる工事をすることにやりがいを感じます。壊れたものを直すときに、メーカーと相談して方法などの情報を得られますので、それを活かして色々な提案ができて面白いと思います。

 また、それを経験すると、新設工事のときに、修繕で使った材料を用いるアイデアが出てきたり、その逆のパターンもあったりしますので、知識や経験が役立つと思います。材料やメーカーも種類が多いので、仕事を通して、その知識を身につけることが必要ですね。使ったことのない材料であれば、たまにメーカーに施工指導に来てもらうなど、大量に購入したときはバックアップがあります。やった分だけ仕事の幅が広がります。

意見を言いやすい関係の構築

 仕事で心掛けていることは、職人とのコミュニケーションです。できているとは思いますが、どちらも意見が言える対等な立場で仕事をしようと思っています。造園のときの下請の経験から、自分自身が両方の立場を知っていて、様々な施工管理の人を見てきたので、そういうことを大切にしようと思いました。当時は話しやすくて意見を受け入れてくれる人や、一方的に「自分の言う通りにやってくれ」という人など、色々いました。私は、互いに話し合ったうえで、必要なときには「お願いします」と言うようにしています。

 安全面や何にしても、協力業者など現場に携わっている人とのいい繋がりがないと、いい工事はできないです。ギクシャクしたり、反感を持たれたりしたら絶対にいけません。個性の強い人とも上手くやっていくのが技術者として大事ですね。本工事でも自分で考えて、現場で職人と「ここはこうしようか、どうしようか」と話せる関係性があったから、今回の評点に繋がったとも思います。仕事の話とそれ以外の話の両方がコミュニケーションの要素ですね。

イメージと違う建設業界

 世間の人からすると、建設業は決まった工期の中で夜遅くまでの残業が前提になっていて、土日祝日関係なく出勤しているというイメージがあるのかもしれませんが、そうではないと建設業界を目指す人に伝えたいですね。仕事が多い工期末の竣工検査前はちょっと遅いですが、昔のように深夜までということはありません。現状はそんなに悪くないと思いますが、若い人がどういうイメージを持っているのか聞いてみたいです。

 私は、部下に休日出勤を頼む忙しいときでも、「休みが必要なら出勤しなくてもいい」とか、「代休を取りたかったら、雨が降って現場作業がない平日に休んでいい」と言ったりして、気を使っています。親心ではないですが、そうやって部下を休ませようという思いはあります。

新しい技術への関心

 今後は大規模な造成工事や山切り工事など、まだ経験したことのない仕事に挑戦したいです。昔は50万立方メートルの泥を2~3か月で運搬する工事や、企業誘致に関連した用地造成などの工事もありましたが、最近はほとんどないですね。そういう工事は多くのことを経験できます。

 また、i-Construction(国土交通省が推進している、建設現場におけるICTに関する取組)に関するものも使ってみたいです。公共工事での導入例は多くないですが、3D測量やドローンなどの機器が数多く出ていて、機械メーカーからも色々提案があるので、時代についていくために取り入れる必要があると思います。特徴的なのはICTバックホーで、機械に法面の勾配・高さ・切る高さを設定すると、設定値以下の範囲で動いて初心者でもきれいに法切りができます。また、ICTブルドーザーでは、ブレードの高さは機械が制御して勝手に動くので、運転手は前進か後退のみを操作すればいいそうです。鳥取県ではICTの導入が進んでいるようで、私も勉強しようと思います。

 

会社について

堅実でアットホームな雰囲気

 当社は設立57年で公共工事を中心とした総合建設業です。建設業に専念し、社屋写真長期にわたり黒字・無借金経営を続けているのが特徴的です。福利厚生もきっちりしていて、社員旅行やレクリエーション活動により、リフレッシュ・社員親睦を行っています。2~3年に1回、大体5月の連休明けに社員旅行で海外へ行きます。前回はシンガポールで、次はグアムです。少数精鋭での業務遂行を目指していて、社員数が少ないので、年間行事やレクリエーション活動を通して上司と部下の距離が近く、とてもアットホームな会社です。

 また、上司と部下の関係にあまり壁がないですね。部長とも、現場に出て二人で意見を交わしながら工事を進められます。社長もアットホームな雰囲気で、朝コーヒーを飲みながら、仕事の話や世間話をすることもあります。すごく働きやすい会社だと思います。

働きやすさへの取り組み

 会社として育児・介護休業制度を整備して、「こっころカンパニー(しまね子育て応援企業)」や表彰式写真「まつえ男女共同参画推進宣言企業」の認定を受け、職場環境の改善に心掛けています。私は子どもが4月の春休みのときに、現場が3月末で終了だったので、会社からリフレッシュ休暇を勧められて1週間程度取得しました。働きやすさに関するバックアップは、会社がすごく力を入れて取り組んでいます。基本的に現場での仕事ですが、やるときはやる、休めるときには休む、という感じです。有給休暇は非常に使いやすく、雨で現場作業ができない日に休むことも全く問題ありません。

 担い手確保の社会貢献としては、子ども・女性みまもり運動や中学生の職場体験の受け入れを行い、少しでも建設業を志す人が増えるよう努力しています。

 

※本インタビューの内容は取材当時のものです。

お問い合わせ
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電話:0852-55-5403(工事・測量等)、5404(物品)/ファックス:0852-55-5570/メールアドレス:keiyaku@city.matsue.lg.jp
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