1. 総合メニュー  >  
  2. 事業者向け情報  >  
  3. 入札・契約  >  
  4. 【工事】【測量等】優良建設工事等表彰制度  >  
  5. 令和元年度表彰  >  
  6. 表彰技術者インタビュー(カナツ技建工業(株))

表彰技術者インタビュー(カナツ技建工業(株))

中海水陸両用機離発着場整備その1工事

表彰工事の概要

部門名 一般土木工事(大規模)部門

 

施工場所 上宇部尾町
工事概要 施設整備工B29.6m×L37.5m1式、浮き桟橋鋼管杭工Φ400(L=21.6m)2本
表彰理由 本工事は、中海振興の一環として実施される遊覧飛行事業用の水陸両用機の離発着場を整備するもので、中海を矢板で締切り、海水を排水しながら軟弱地盤対策を行う必要があるなど非常に現場条件が厳しく、冬場の短期間で完成させなければならない工事でしたが、課題に対する解決能力に優れ、適切な工程管理のもと工期内に完成させました。また、出来形、品質、出来ばえも良好で、非常に優良な工事でした。
表彰事業者 カナツ技建工業(株)
表彰技術者 監理技術者永瀬知弘さん

 

表彰技術者インタビュー

表彰工事について

※本インタビューでは、現場代理人土江友也さん(写真二番目)にも同席いただき、お話を伺いました。

初めての水陸両用機離発着場

 今まで経験した工事は国発注がほとんどで、市は初めてでした。技術者写真1その違いはありましたが、現場代理人のフォローを受けながら、上手く現場が回せたと思います。中海の一部を締め切っての作業が一番のポイントだと最初からわかっていましたが、それに加えて水陸両用機の営業開始までに竣工する工程の組立にも苦労しました。また、しゅんせつなどの一般的な外海の工事と違って、構造物を構築する点や、そもそも水陸両用機の離発着場を施工した経験がなかったところに難しさがありました。なかなか施工実績のある会社はないと思います。

 本工事(その1工事)だけではまだ離発着場はでき上がらず、その2工事とその4工事により離発着場部分が完成形になりますが、3件の工事全てを当社で施工したのは珍しいと思います。本工事は基礎部分にあたりますが、私はその4工事(護岸工事など)にも携わって、そこでも全ての段取りに3D-CAD(コンピュータを用いた設計)を活用していたので、スムーズに施工できました。

 当社で水陸両用機離発着場の工事を手掛けたのは初めてで、ある程度大規模な工事だったからということもあり、会社の期待も大きかったです。水陸両用機はエンジンの推力で水面から陸に上がってくるので、段差を極力なくすなどという、受注後にわかった特有の注意点もありました。その部分は直接本工事では施工していませんが、気づいた点は市に提案したので、その後の工事に活かされたと思います。

水替の検討

 鋼矢板で中海を締め切ってから中の水を抜き、湖底の工事をする予定でしたが、きちんと締め切られるかどうかが、技術者写真2実際に作業してみないとわからず、湖底の土壌の状態も水を抜かないと確認できなかったので、難しかったですね。当初の計画では、石によって鋼矢板が打てない部分があることを想定して、護岸の途中までしか矢板を打たず、縁部のところは全部大型土のうを積む予定だったのですが、鋼矢板を打っていない、取合部分の護岸形状が大石張りによる隙間や、谷状のところから、鋼矢板で囲んだ内側に水が入り込んできてしまったことがありました。その事態を受けて、排水ポンプを最大で8台入れたのですが、全然水が替わらず(外側へ水が抜けない)、最終的に護岸ギリギリの端部まで20メートルくらい矢板を打設する範囲を広げました。

 そのような際は、何か事案が発生したらすぐ連絡をして対処していました。当社が早く鋼矢板などの材料が手配できるように動くというのはもちろんですが、工事に携わっている全員に「早く完成させたい」という共通認識があったので、市にもそういう設計変更をスムーズに決定してもらえたと思います。また、当初の矢板は船から打ちましたが、端部は陸上から打ちますので、ヤード(作業スペース)を整備する必要が出てきました。結局12月初めに打ち終わり、水替にも無事成功しました。

短期間での地盤改良

 ところが今度は打ち終わって湖底を掘ろうとしたときに、掘削の機械が入れないような現場写真1ヘドロ状態の軟弱地盤だったので、色々な方と対策を検討して、翌年の3月に地盤改良(構造物の安全性を保つため、地盤の強度を高めること)することが決まりました。

 今回の工法である中層混合処理は、バックホー(ショベルカー)にチェンソー状のものがついていて、セメントミルクを送りながら地盤改良するものです。通常は作業から1か月後に強度が高まりますが、今回は次の工程に早く入れるように、配合を協議した結果、施工した翌日には地面を歩けるぐらいの固さになりました。施工場所は湖岸ですが、鋼矢板で締め切った空間で施工していたので、風の影響はそんなにありませんでした。中も機械が入れるように地盤改良して、当社の提案した方法で施工して、床掘りなどができる状態にしました。

多方面との調整

 通常は契約後、着工まで1か月は準備期間がありますが、本工事ではそこまでの猶予はありませんでした。現場写真2その中で市が地元説明会などを開催して、始まって2週間で測量、終わり次第に仮設工事と、初動がスムーズにいきましたし、色々なことに早めに取り組んだので、工事を上手く進めることができました。3月末という期限の中で可能な範囲ですが、次の工事が着手できるように、その基礎部分を完成させ次に引き渡すということを目標にしていました。また、地元地域との関係は良好でした。通りがかった人が何の工事なのかわかるように、完成イメージを載せた看板を設置していました。

 また、3月末に竣工という限られた工程だったので、何か起こればすぐ影響が生じますし、市も国など関係者との協議が必要だったと思います。工事の担当課は水産振興課、設計業務は大橋川治水事業推進課とわかれており、国との関連もありましたので、協議する担当者は多かったです。さらに、同じ敷地内で保安検査室の建築工事を別会社が施工していたので、関連業者との調整会議で、市の担当者も交えて当社が施工するフェンスの基礎の接続や、端部からの進入防止措置などについて協議を行いました。

ICTの活用

 3D-CADを使って各工程を表現して、作業手順がわかりやすいものを作成し、協力業者や当社の社員に対して工事の過程を可視化しました。現場事務所に掲示して、新規入場の作業員がどこをするのかすぐわかるように工夫していました。

 当社では基本的には工事ではそういうものを作成しますが、活用方法は担当者によります、特に私自身が、市発注の工事が初めてということもあって、自分が工事について把握するうえではもちろん、第三者にも一目でわかるように活用しました。

 

技術者としてのキャリアについて

長大橋の魅力から建設業へ

 工業高校の出身ですが、元々土木がやりたかったわけではないです。きっかけは瀬戸大橋を通ったときに、「こんな大きい橋をつくりたい」という思いを抱いたことで、高校で橋など土木について勉強し、当社に縁あって入社しました。また、早く手に職をつけたいという思いもありました。

 入社3年目くらいから、志津見ダムや尾原ダムなどいくつかのダム工事の現場を30歳手前ぐらいまで経験しました。その後、出雲バイパス、尾道松江線、国道9号線改良工事を経て、最近は山陰道をメインに携わっています。各現場には単身赴任することが多いですが、今は子どもが小さいこともあって、頻繁に自宅から通勤しています。若いときなどは、仕事を受注してからでないと担当が決まらないことがありますので、来月の予定がわからないこともありますね。

 ここ10年くらいは、現場でも一番上の立場にいることが多いです。もちろん責任という意味では大変なことは多いですが、現場で職員から笑いが起きると、「仕事をやっているな」という実感があります。チームで仕事を進めていけるのは一つの面白みですね。現場は決められた予算の中でやりくりする、一つの会社のようなものです。

 今は比較的遠くの地域でも当社は知られていますが、以前は遠方ではあまり知名度が高くなかったので、現場を運営することで信頼を得なければならなかったのは大変でした。松江市内の仕事であれば相手方に誰かの知人がいますが、そういうことが全くないと、相手が「どんな会社だろう」という感じになると思いますので、気を使っています。

現場は楽しく

 20年働きましたが、工事を期間内にやらなければならないことや、屋外では天候の影響など考えることがたくさんあって、若いときはそのしんどさに耐えがたいところがありました。その分、終わった後のやりがいもありましたが。今のようにICTの時代ではなく、二次元の図面を手で描いたりする作業もあって、なかなか面白さを感じられず、ひたすら日々の業務をこなしていました。

 しかし、最近になって余裕も出てきて、3D-CADの施工図をつくる時間もできるようになりました。かつて自分が大変に感じたことを、部下には楽に理解してもらえるやり方を模索しています。働く時間も昔より制約が大きくなりましたので、時間を掛けられないからこそ、可視化できるソフトを使ってわかりやすく表現することに取り組んでいます。

 また、以前大変な現場のときに、上司から「仕事を楽しくやっても、大変だと思ってやっても、ゴールは一緒だ」という話を聞いて以来、なるべく自分が仕事を楽しみながらやることを心掛けています。現場全員が楽しくやるのは、現場の条件などもあるので難しいですが。自分が楽しめば周りも楽しんで、その結果現場が上手くいくことがやりがいになっていますね。現場スタッフのお陰で好き放題させてもらっているのかもしれませんが(笑)。

色々な人から学べる仕事

 建設業界を目指す人へ伝えたいのは、外で仕事をするので、ずっと中にいるよりも気分的にいいのかなということです。また、配属される場所や上司が工事ごとに変わりますので、色んな人から学ぶことが多いと思います。ずっと同じ人についていると、考えが凝り固まってしまうので、自分で好きな部分を取捨選択できることは働く環境としていいと思います。平穏を望む人にはちょっと向きませんが。

 大体工事は1年ぐらいで、長くて1年半、短くて10か月とかです。それくらいの間隔で環境が変わることをいいと思うかですね。たとえば、1年後に自分がどこの現場で働いているのかわからないのが不安ということはあるかもしれません。

 あとは、当社は最先端技術に早くから取り組んでいるので、若い世代向きかなと思います。他には松江市内でいえば松江北道路や大橋川改修などの、地図に残る事業に今後携わることができる可能性がある会社の一つだと思います。

最先端技術で働き方改革

 今後の抱負として、最先端技術などを取り入れ、残業の削減や休日の確保をしながら今までと同じように現場を運営することで、自分や周り、会社に貢献したいです。なかなか一人では難しいですが。働く時間が短ければ短いほどいいという時代なので、3D-CADなど、もっとわかりやすい方法を模索したいですね。昔に比べてパソコンが普及して仕事は早くなってきましたが、書面主義的なところが多くなってきているので、今会社も検討しているように、最適な事務処理のやり方が、個々の現場だけではなく全社に浸透してほしいですね。

 

会社について

新しいことに取り組む体制

 従来通りのやり方では、建設業自体が生き残れないところもあるので、社屋写真会社をあげて最先端技術に取り組んでいます。経営企画室に情報技術グループという部署があって、5G(第5世代移動通信システム)など次世代技術の準備をしていますし、導入しているものは現場で活用しています。たとえば、VR(仮想現実)という、3D-CADでつくった仮想空間の中に自分がいるように見えるものなどです。また、1回ボタンを押せば360度の写真が撮れるカメラを取り入れています。他の現場ではMR(複合現実)技術といって、外の景色と3D映像を組み合わせて映し出すものを使って、どこに何をつくるかを表現しようとしています。

 その他にも新しいことに取り組んでいます。当社には環境事業部があり、忌部浄水場や下水道の維持管理業務を受託しています。業務の中で当社のノウハウが活かせる部分もたくさんあり、色々いい面があると思います。

社員は家族という社風

 会社の雰囲気は、何でも言いやすいですね。私だけかもしれませんけど(笑)。表彰式写真他の会社と比べてどうかはわかりませんが、周囲との繋がりや、部署内の連携があるから、そういう環境なのだと思います。先代の社長のときからずっと「社員はみんな家族」という社風です。年1回の社員や家族の運動会など、現場や部署が違っても繋がりがあるので、そういったところでも仲が良くなります。仕事以外では、最近はジムに通っている人も多いですし、駅伝のサークルや、釣りクラブなどもあります。

 制度としては、男性の育児休暇などもありますね。また、高齢者の家族がいる人は勤務時間を変更できる制度があり、活用が進んでいます。他には、10年くらい前から社内提案制度があり、取組やその理由の提案を経営企画室が取りまとめて、いいものを採用しています。福利厚生に関する制度はいくつか生まれていると思います。

 

※本インタビューの内容は取材当時のものです。

お問い合わせ
財政部  契約検査課
電話:0852-55-5403(工事・測量等)、5404(物品)/ファックス:0852-55-5570/メールアドレス:keiyaku@city.matsue.lg.jp
松江市役所
〒690-8540 島根県松江市末次町86番地
電話:0852-55-5555(代表)
開庁時間:8時30分から17時15分
  • 庁舎位置図
  • 電話番号・メールアドレス一覧
  • 組織機構図・事務分掌一覧
松江市ホームページはプログラム言語「Ruby」で構築されています。