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表彰技術者インタビュー((株)深田建設)

武家屋敷保存修理(建築)工事

表彰工事の概要

部門名 一般建築工事(大規模)部門

 

施工場所 北堀町
工事概要 老朽化した武家屋敷の保存修理
主屋231.97m2、門長屋76.33m2、休憩所34.83m2、便所9.43m2
表彰理由 本工事は、文化財的価値の高い武家屋敷の保存修理だったため、通常の建築とは異なり細心の注意を払いながらの工事でしたが、文化財的価値を損なうことのない品質管理に努められ、適正に工事を遂行することができました。また、工期的な制約がある中でも適切な工程管理に努められ、積極的な創意工夫や提案がなされたことから意欲の高さも感じられました。全体として優良な工事でした。
表彰事業者 (株)深田建設
表彰技術者 監理技術者青山公洋さん

 

表彰技術者インタビュー

表彰工事について

伝統建築の職人の協力

 本工事は文化財の古い建物で、近代的な建築工事とは異なり、当時の建物の歴史や地形、技術者写真生活文化など色々勉強になりました。伝統建築の工事は初めてでしたが、会社としてはJV(共同企業体)で興雲閣の工事の実績があったので、そのときの知識と経験が活かされました。

 全くの未経験のことで、はじめに本工事の建物には釘を使ってはいけないと聞いて、ではどうやって施工しようかという状態からのスタートでした。協力業者の大工職人が文化財の施工をしている人でしたので、その人に教わって勉強しましたね。聞いたことを基に市へ積極的に提案したことが、表彰につながったと思います。

 伝統建築の工事では、古いからといって全てつくり直すわけではなく、本当に傷んでいる部分だけ直します。本工事では、古い柱は切って、釘を使わずに全て手作業で特殊な繋ぎをしたのが印象深いですね。また、内部の壁は土壁で、現在若い世代で施工できる職人がおらず、市外のベテランの左官職人にお願いしてやってもらいました。この近辺ではそういう技能を持った人がなかなかいませんね。土壁は使用する土の採取から始まり、時間を掛けて乾かしてから何度も塗っていかないとヒビがはいってしまうので、きれいに仕上げるには半年もの時間が掛かります。完成後の現場を見ただけではわからないかもしれませんが、それだけの手間を要しました。

慎重な施工手順

 一番手間が掛かったのは、建物自体の工事です。たとえば、屋根の上に「素屋根」という仮のトタン屋根をかけて、現場写真1建物が雨に濡れないようにしたうえで、瓦を下ろすなどの作業をしたことが大変でした。また、施工中に大雪の年があって、雪の重みで建物に影響が出ないよう、朝から晩まで素屋根の雪を落としていた記憶もあります。近代的な建物ではそういったことはないですが、文化財ですので影響が出やすく、気を使って施工しました。

 建物を分解する過程で、既設(本工事施工前)の構造と、最初に建てられた当時の構造が違っていたというのが判明した部分もありました。そういう点に注意して、市の埋蔵文化財調査室とともに、様々な痕跡の調査に長い時間を費やしました。たとえば間取りでは、既設のものには「かまど」がなかったのですが、実際にはあったという資料が見つか現場写真2り、それを基に復元することになりました。一方、柱を支えている基礎石は復元したもので、当時の石は地下50センチくらいの場所に埋まっている状態です。その他には、書道の先生が住んでいた時期があったようで、古いふすまの裏紙に習字の紙が使われていたことが判明するなど、面白いこともありました。

 建物以外では、現場裏手の道路から現場への仮設の進入路をつくる際に、道路と現場の地面の高さが違っていたので、重さ1トンくらいの砂袋(土のう袋)を積み重ねて高低差を解消し、その上を工事車両が通るようにしました。それだけでも日数が掛かって大変な作業でした。また、付近の高校から登校時間帯を避けて通行するよう要望がありましたので、遵守して施工しました。

 工期は約1年半と、非常に長かったです。自分の誕生日が2回ぐらい来たのではないでしょうか。デリケートな工事で、一つ一つが地道な作業だったので、毎日の進捗はあまり実感できない感じもありました。昔の人は建物をつくるのに何年も掛けたという話を聞きますが、その通りだと思いました。工事中は、本施設の再オープンの時期などについて観光客に聞かれることもあり、そういった観光施設に携わるということで、普段と違う気持ちがありました。

 

技術者としてのキャリアについて

建築ひとすじ

 正直言って、特にきっかけややりたいことはなく、工業高校の建築科を出て、そのまま建設業界に入ったという感じです。進学したときは建築に対してかっこいいというイメージがあって、将来は設計士かと想像していましたが、そうなることはなかったですね。今の仕事のためにいくつか資格を取ってからは、もうこの仕事しかない(笑)という感じで、現在に至ります。

 最初に県内の同業他社に入社して、先輩や上司の下でいくつか現場を経験しました。一人で主担当として現場を持ったのは25、26歳くらいのときで、最初は小さい現場でした。仕事はずっと施工管理で、13年前に当社に入りました。当社の傾向は、若手社員はまずJV工事の担当として経験を積んで、戻ってきてから自社単独の大きな案件を任されるという流れです。JV工事では、同業他社のやり方も勉強になります。

 以前、史跡出雲玉作跡の休憩施設新築工事で優良工事等表彰を受賞して、そのときに「また頑張ろう」という気持ちになり、今回受賞できたので非常に嬉しく思っています。公共工事と民間工事の両方を経験していて、JV工事では中学校や高校に携わりました。地元でゆかりのある場所ですが、そのときは「がむしゃらに仕事しなければ」という思いしかなかったです。今は市内の改修工事をメインにやっていて、県職員宿舎の改修工事や木造建築などを手掛けています。会社によっては、個人住宅とそれ以外の工事で担当者が異なりますが、当社は担当が分かれておらず、そのときの業務量に応じて決まります。

 今後は文化財的な伝統建築の工事をもう一回やってみたいですね。本工事はそう思えるほど面白かったです。難易度は高いですし、施工できる職人が少ないので、どう体制を組むかというところから始めなければなりませんが。

仕事を覚える楽しさ

 仕事のやりがいは、やっぱり建物が完成したときですね。目に見える形で、何もないところに新しいものができることは楽しいです。嬉しい半面、安心感から緊張が緩んで疲れもドッと出ます。完成した建物を外から眺めて、子どもに話をすることはありますが、「ふーん」という感じの反応で(笑)。進路を決めるのはこれからなので、仕事のやりがいも伝えればいいのでしょうね。

 今後、建設業界を目指す人には、建物が完成したときは非常に喜びがあることと、建物がずっと残ることを伝えたいですね。自分が生きている間は残っているというのは、すごく嬉しいです。仕事は確かに大変だと思いますので、若い人が辞めたくなる気持ちもわからなくはないです。ただ、はじめのうちはどうしても我慢しないといけない時期がありますし、仕事を覚えるまでは大変ですが、年数を重ねて自分で現場を動かせるようになればすごく楽しいと思います。

 若い人は都会に出たがると感じます。私はずっと地元だったので、若いうちは県外に出て仕事をして、色々覚えて帰ってくるのもいいと思います。

 

会社について

現場に任せてくれる会社

 当社は、現場は現場に任せるという、自由がある会社です。もちろん会社としてのサポートがあることは前提です社屋写真が。施工管理の社員は4人で、個人住宅や公共工事を手掛けています。

 また、現場の環境は以前よりかなり向上しています。夏場の熱中症対策では、冷蔵庫や製氷機を置いて対応しています。全員がパソコンで仕事をしているので、備品が揃うと普通のオフィスという感じです。また先端技術で、バーチャルのパース(完成予想図)を利用するなどしています。

 現場の休日はそれぞれの事情によりますが、会社は週休日が決まっています。現場も工事が終わったあとの休み期間があるので、その間にリフレッシュできます。大変な後には楽しみがあるということですね。表彰式写真

 

 

 

 

※本インタビューの内容は取材当時のものです。

お問い合わせ
財政部  契約検査課
電話:0852-55-5403(工事・測量等)、5404(物品)/ファックス:0852-55-5570/メールアドレス:keiyaku@city.matsue.lg.jp
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