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松江市史講座

新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、令和2年3月21日(土)の松江市史講座完結シンポジウム「松江市史の完成と松江の未来へ」は一般公開中止とさせていただきました。この「完結シンポジウム」の模様は別途録画し、3月28・29日に山陰ケーブルビジョン(マーブル)で放映されました。

 

○これまでの市史講座について

 マーブルですでに放映された市史講座のDVDは、松江市立中央図書館内で視聴することができます。

 視聴をご希望の方は、図書館カウンターへお申し込みください。

平成23年度から30年度市史講座一覧(PDF/268KB)

平成31年度市史講座日程(PDF/254KB)

 

第11回市史講座ミニレポート:令和2年2月15日(土)

松江の水道敷設と水環境

大矢幸雄先生(松江市史絵図地図部会長)

講演中の大矢幸雄先生

 はじめに、大矢先生は、どの歴史書を見ても江戸時代と明治時代が途切れたように書かれており、両時代のつながりがわからないが、江戸時代と明治時代をつなぐものがこの水道ではないかとお話しされました。

 松江市は、「水郷松江」「水につけた城下町」といわれますが、城下町が形成された当初より飲用水が少なかったそうです。江戸・仙台・金沢・水戸などでは大規模な上水道の工事が行われ、また多くの城下町が飲用の水源地近くに形成されているのに対し、松江は明治20年頃でも戸数8500戸のうち1割程度しか飲み水の出る井戸がなかったそうです。たいていの井戸は金気を含み、また宍道湖は汽水湖のため塩分を含んでおり、ろ過しても飲めるものではありませんでした。そこで松江には、古くから水売りがいたそうです。

 松江で上水道整備の機運が高まったのは、明治10年以降、コレラが大流行してからでした。特に明治12年と19年には大流行し、明治12年の流行時には全国での患者数は約16万人、死者は約10万人に上り、死亡率は6割以上という大変なものでした。当時の主な交通手段は船だったため、島根県内でも港のある場所では患者が多く、それは松江も例外ではありませんでした。現代のような情報網のない中で、人夫が棺桶を担いで火葬場へと向かう姿を見て情報を得ていた人々は、恐怖から神仏信仰へ走ったそうです。

 

 コレラ対策のため、明治12年には中央衛生会、明治16年には日本私立衛生会が設置されました。松江でも家や居住地域の消毒、堀川利用の禁止、隔離施設や公衆便所の設置、飲用水の配布などが行われました。その後何度も流行するコレラなどの伝染病予防のため、明治26年4月、私立衛生会島根支部会頭田中知邦が松江市長福岡世徳に上水道敷設の要望書を提出しました。水源は大海崎の“目無し水”、給水人口は3万5千人、費用1万6千円とされた計画は、当時の松江市の収入が1万円であったことから実現はそう難しくないとされ市民の要望は高まりましたが、水道管の配置の偏っていることと使用中の井戸を補完する計画だったことから、福岡市長は内務省から技師を招聘し、松江市域に水道がいきわたる計画を立てようとしました。

 

 明治26年6月、内務省技師関屋忠正が松江を訪れ事前調査し、7月にウイリアム・バルトンが同技師高橋辰次郎とともに再調査をしました。その際の調査報告書(『衛生事項並ニ右改良方法ニ関スル復命書』)によると、水源は東忌部のサミズ、給水人口は5万人、浄水池は旧松江城址などとされましたが、工費が15万円以上と高額のため計画は一度とん挫します。その後、水道敷設によらない方法で飲用水を賄おうとしますが、計画は不成功に終わります。結局、松江市が水道敷設の決意表明を行ったのは、明治45年7月、高橋義比市長の時でした。

 

 水道敷設は、バルトン案を元に立てられた水道博士中島鋭治の計画が採用されました。浄水池は旧城址から床几山へ変更となり、費用は63万円とさらに高額になりましたが、人口増と鉄道敷設により発展が見込まれたため、2年半の工期で事業がスタートしました。実際には5年かかりましたが、今日のようにショベルカーなど機械のない時代に、時には大雪の中、全ての作業が人力で行われました。こうして完成した上水道でしたが、給水人口の増加や水道管が通る松江大橋への大型船追突事故、大火の際に水圧が低下したことなどから、当初から拡張・整備工事を繰り返しています。

 

 松江市の水道事業推進に貢献した人々に、福岡世徳、バルトン、関屋忠正、高橋辰次郎、田野俊貞医師、田中知邦らがいました。彼らは自分の信念のもと、松江市の発展や水道敷設、感染症予防と衛生知識の普及のために尽力しました。大矢先生は、彼らの滅私奉公に支えられて松江の水道事業は進められてきたと締めくくられました。


講座資料(PDF:1674KB)

 

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