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松江城調査報告会

松江城調査報告会レポート:令和2年(2020)2月8日(土曜)

松江市では、国宝松江城天守に関わる調査研究に継続的に取り組んでいます。
この報告会は、その現状を報告し、研究成果を新たな調査研究の進展につなげる目的で開催しています。第7回となる今回の報告会は、松江城と共に近世城郭群として世界遺産登録を目指す松本城の取り組みについての報告講演と、世界の軍事城塞遺跡と世界文化遺産についての講演が行われました。約150名の市民の皆さまをお迎えし、「世界遺産」について熱心に聴講いただきました。

報告講演

講演を行う松本市の桑島直昭氏写真

桑島直昭松本市文化振興課世界遺産推進担当係長による「近世城郭の天守群の世界遺産登録を目指した取り組みについてー松本城を中心にー」では、世界遺産についての解説と、世界遺産への松本城の取り組み及び今後の課題について報告がありました。

まず「世界遺産」とは、正式には「世界文化遺産」であり、1972年にUNESCOで採決された世界遺産条約に基づいて、世界遺産委員会が定めた基準に照らして、「顕著な普遍的価値(OutstandingUniversalValue)を有すると認め、同委員会が作成する一覧表に記載された不動産」であるとの説明がありました。また、世界遺産の登録条件には、世界遺産的な普遍的価値及び顕著な普遍的価値の証明が必要で、さらにその資産を守るための計画を作っていくことも必要であると述べられました。
次に、そのような価値があるものがどのように「世界遺産」になっていくかのプロセスと世界遺産の現状、近年の世界遺産登録の傾向について説明がありました。現在世界遺産は1,121件あり、そのうち文化遺産は869件、自然遺産は213件、文化遺産と自然遺産の複合遺産が39件あります。日本の場合、文化遺産19件、自然遺産が4件登録されています。世界遺産の場合、国が世界遺産委員会に推薦する必要があります。そのためにはまず国内の暫定一覧表に記載されなければなりません。現在の国宝天守5城の状況は、姫路城は平成5年(1993)に世界遺産に登録、彦根城は、平成4年(1992)に暫定リスト入りしていますが、松本城、犬山城、松江城は暫定一覧表候補ということになって現在に至っている旨の説明がありました。
次に、松本市の現在の取り組みと課題について説明がありました。松本市は平成13年(2001)に「『国宝松本城を世界遺産に』推進実行委員会」が発足して、「市民と行政が一体となって世界遺産を目指そう」ということになりました。松本市は調査研究と、普及・啓発の2本立てで活動を進めており、平成28年(2016)からは松江市と犬山市と松本市の3市で「近世城郭群世界遺産登録推進会議準備会」という組織を作って世界遺産登録に取り組んでいることを説明されました。
また課題として、世界遺産は世界遺産委員会、外国の方が判断するので、「日本のお城」と言われても、その時代背景が全くわからない。そういった方にもきちんと日本のお城の魅力や価値をしっかり伝えるための分かりやすい説明が求められると述べられました。また、国宝5城での市民の協力が必要であることが課題であると述べられました。
最後に、世界遺産登録を目指す運動を通して、世界中の人々に日本のお城の素晴らしさを知ってもらいたい、そして未来の子どもたちへ引き継いでいきたいという思いを述べられまとめとされました。

 

講演

三宅理一先生講演写真

三宅理一東京理科大学客員教授による「世界の軍事城塞遺跡と世界文化遺産」では、世界の軍事城塞遺跡と世界文化遺産について講演がありました。

はじめに「首都と宮殿(城郭)」について、ヨーロッパ、中国及び日本の事例から、首都形成の説明がありました。中世ヨーロッパにおいては、為政者は町の外から支配するものであり、フランスでは森の中に城館がありました。近世になると、為政者は町の中心に城館(宮殿)を構えます。対して中国は古代から一貫して宮殿は(宮城)は町の中核を占めていました。そして、今日的な意味における「首都」が登場するのは19世紀で、首都における「宮殿」は防衛機能を伴うものではないとの説明がありました。

続いて、17世紀フランスの詩人である、シャルル・ペロー作の「眠れる森の美女」を題材に、そこに描かれた「城」が一体どのようなものであったかという説明のあと、近世ヨーロッパにおける「中世回帰」とも言える「リバイバリズム」が起こり、それが現在私たちがイメージするヨーロッパのお城、「お城観」というものに影響を与えていると言えるのではないかとの説明がありました。

三宅先生は長らくICOMOSの活動に従事され、学術専門機関であるICOFORTという城塞や軍事施設に対する遺産の価値付けを行う組織の日本代表を務めておられます。世界では日本のお城に対する認知度は非常に低く、正当に評価されていないということです。その要因の一つとして情報発信の少なさが挙げられると述べられました。また、戦国時代からある「お城」というのは、どうやってこれを軍事的に使っていたのかということに対するストーリーが全くできていないとの指摘がありました。

最後に、世界遺産登録への今後の必要な取り組みとして、日中韓の共同作業の深化、「顕著な普遍的価値(OutstandingUniversalValue)」を見極めることなどを挙げられました。世界遺産というのは「ストーリー」が重要であって、「松江城にはどういうストーリーがあるのか」「全国にお城があったというのは、どういうストーリーだったのか」ということに思いめぐらせて、心に訴える必要があると述べられました。また、それが世界史にとって、あるいは人々の心にとってどういったものであったかということを、きちんと位置づける仕組みが必要になってくると述べられました。

資料ほか

この松江城調査報告会で報告された講演については、今年度発刊予定の「松江城調査研究集録8」に収録予定です。

これまでの報告会レポート

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