木幡家住宅は、享保18(1733)年の宍道大火で家屋が全焼したのち同年に再建されたもので、その後増築や改修を経て、敷地約1,200坪に部屋数40を超える広大な建造物と庭園からなっています。近世に宿場町として栄えた宍道町にあり、家業として酒造業を営むとともに下郡役も務め、しばしば藩主の宿所にもあてられたところから本陣と称され、当地では「八雲本陣」として知られています。
醸造場や酒蔵など酒造関係の建物は失われており、酒造業を営んでいた時代の屋敷構えは絵図面などでしか知りえませんが、主屋は、山陰地方を代表する民家建築であり、また数少ない本陣の構えを遺す町屋として貴重です。
昭和44(1969)年には主屋が重要文化財に指定され、絵図面(屋敷図)12枚が附指定となりました。平成21(2009)年には、皇太子嘉仁親王の御昼餐所となった飛雲閣のほか、新座敷棟、新奥座敷棟、奥座敷棟、新蔵、米蔵、三階蔵が重要文化財に追加指定され、湯殿、御成門、行啓門、資材蔵、裏門、飛雲閣棟札、宅地が附指定(追加)となりました。
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左:書院(藩主の間)の写真、右:飛雲閣の写真
貴重な文化財としての木幡家住宅を、将来に亘って良好に維持し継承するために、所有者による新蔵ほか3棟の保存修理工事が、令和元(2019)年度から、文化庁・島根県・松江市の支援のもと4年計画で実施されています。
文化財課文化財保護係
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