令和3年3月13日(土曜)14日(日曜)に開催を予定しておりました「第31回全国椿サミット松江大会」は、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、中止することといたしました。関係各位におかれましては、この大会を楽しみにしておられたことと存じますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
なお、当日に市民を対象とした「松江椿まつり」の開催を予定しています。詳細が決まりましたら、改めてホームページ等でお知らせいたします。
日本ツバキ協会会員と全国の44市町で構成する全国椿サミット協議会会員が一堂に集い、相互の情報交換と交流を通じて、地域の活性化に資することを目的に、平成3年から開催されている全国的なコンベンションです。2021年に開催される松江大会で31回目を迎える歴史ある大会です。
古事記・日本書紀に登場する素戔嗚命・稲田姫命(いなだひめみこと)夫婦が宮居を構えた八重垣神社に伝わる連理玉椿は、稲田姫命が植えた2本の椿が寄り添うように成長して一つの椿になったと伝えられています。出雲国風土記には、この地域に多く自生する草木として椿が「海拓榴(つばき)」として記録されています。
松江藩中興の祖・松平治郷(不昧)公は、大名茶人としても知られています。茶花として椿を好み、鷹狩りの際に藩内で見つけた美しい白椿を褒め称え「四ケ村」と名付けた、参勤交代の折りに気に入った椿の苗を持ち帰り松江城内に植えた、など椿にまつわる逸話は多く伝えられています。今では松江城内の西側は椿谷と呼ばれ、2,000本を超える椿が群生し、日本三大ヤブ椿群の一つとされています。庭木に椿が好まれ、早春には老舗和菓子店に上生菓子「四ケ村」が並ぶなど、松江には茶の湯文化から広まった椿のある暮らしがあります。
「耳なし芳一」「雪女」などの怪談の著者で知られる小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、今年生誕170年・来日来松130年を迎えました。明治時代に松江を訪れ、松江の美しい風景、寛容で多様な精神性、自然と慎ましく共生する人々の暮らし方に古き良き日本の面影を感じ、松江を「神々の国の首都」と呼び、世界へ紹介しました。「古椿」という作品では、椿と日本人との関係や美しい椿に宿る神秘性・魔性について書き残しています。
松江市は、小泉八雲が作品を通じて風光明媚な松江の風景や我が国の歴史文化など世界へ紹介した功績が高く評価され、昭和26年(1951年)に京都市・奈良市と並ぶ国際文化観光都市となりました。令和3年(2021年)には、70年の節目の年を迎え、椿サミット松江大会は、国際文化観光都市70年記念事業として開催します。